中イキ

日本人が知らない体位、CAT法(コイタル・アラインメント法)とは?

挿入のときに彼氏さんやパートナーと一緒に気持ちよくなりたい、イキたい——そんな願いを持つ女性は多いんじゃないかと思います。

いっぽうで、特に挿入中にオーガズムに達することが難しいという女性は、とっても多いんですよね。

その悩みを解決できる体位の1つとして、CAT法と呼ばれる方法があります。

CAT法とは「Coital Alignment Technique(コイタル・アラインメント・テクニック)」の略称です。

日本人が知らないこの体位について、またなぜ日本ではあまり知られていないのかについて紹介しますね。

中イキに関する総合的なまとめ記事はこちら。

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CAT法の概要:由来や基本的な考え方

CAT法とは、挿入時に女性のクリトリスへの刺激を最大化する体位です。

基本的には正常位の応用で、角度と密着具合を調整することで、挿入中でもクリトリスを刺激できるような工夫をします。

先ほど体位と言いましたが、単なる体位の一種というだけでなく、2人で協力しながらクリトリスと陰茎をこすり合わせることで女性をオーガズムに導くためのテクニックという位置づけです。

CAT法は、1980年代にアメリカのセックスセラピストであるエドワード・アイケル(Edward Eichel)氏によって提唱されました。

1988年に発表された論文で初めて紹介され、その中で「より多くの女性が挿入によるオーガズムに達し、さらにはパートナー同士が同時にオーガズムに至る可能性を高める」方法として注目を集めたそうです。

直近の論文はこちらなどですね。

昔から女性はセックス(挿入)のときにイキにくいと言われていますが、CAT法はその解決策として着目されました。

名前の由来ですが、Coital Alignment Technique(コイタル・アラインメント・テクニック)のCoitalは「性交の」、Alignmentは「調整・配置」という意味。

日本語だと「性交時の身体の配置を調整する技術」という、色気もへったくれもない表現になりますね。

ざっくりと、女性がイキやすくなるよう工夫された体位だと考えてください。

欧米では「CAT position」などと呼ばれることもあり、日本でもカタカナで「コイタル・アラインメント法」あるいは「CAT法」として紹介されるケースを目にするようになってきました。

「挿入時にイケる」であって、刺激およびオーガズムトリガーのメインはクリトリスですから「クリイキ」ではあるかもしれません。

また当サイトでも紹介しているように、クリトリスへの刺激やクリイキが必ずしも中イキやポルチオオーガズムに必要というわけでもないです。

ですがブログでも紹介しているように、クリイキが後の中イキ連続イキのきっかけになることもあるので、試してみる価値はある方法だと思います。

クリイキが中イキのきっかけになったケース、一番最近の女性だとハルちゃんですね。

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CAT法の効果とメリット:女性のオーガズム促進、パートナーシップ向上など

CAT法(コイタル・アライメント・テクニック)の効果やメリットについて具体的に紹介します。

女性の身体的な快感の面から心理的なパートナーシップの面まで、いくつかのポイントがあります。

CAT法は女性がオーガズムに達しやすくなる

最大のメリットとされるのは、CAT法は女性が性交中にオーガズムに達しやすくなるというものです。

一般的な挿入・ピストン運動中心のセックスではイキにくかった女性でも、挿入時に効果的にクリトリスを刺激できることで、より高い確率でオーガズムに達しやすくなるとされます。

実際、前述の研究でもCAT法を実践したグループの女性はオーガズムの頻度が向上したとのこと。

CAT法はパートナーと同時にオーガズムを迎えやすい

CAT法は、2人で一緒にイケる同時オーガズムの実現を目指したテクニックでもあります。

女性がイキやすい体位のため、タイミングを合わせて2人同時に絶頂を迎えるという体験も生まれやすくなるそうです。

女性と男性が同時にオーガズムに達するためのアプローチはいくつかありますが、比較的難易度が低いのは「次の刺激で女性がイク」というところまで高ぶった状態で男性が自身のオーガズムのためにフィニッシュに向けて追い込みをかける方法ですね。

ですので女性が挿入性交でイキやすいCAT法は、向いている体位とされています。

男女が同時にオーガズムに達することは必ずしも必要ではないですが、もしそれができれば「嬉しい」「感動した」という特別感や達成感が得られるのも確かです。

CAT法は男性にとっても新鮮な快感

ここまでの内容的に「女性のためのテクニック」という印象を受けるかもしれませんが、CAT法は男性側にもメリットがあるとされます。

まず、通常とは違う動きや圧迫感が加わることで新鮮な刺激を味わえます。

特に根元を強く擦りつける動きは、ペニスの普段刺激されにくい部分に快感をもたらすことがあります。

また動きがゆっくりめになる分、男性は射精のコントロールがしやすくなり、結果的にセックスの持続時間が延びるという効果も期待できます。

ゆっくり長く動くことで、最終的な快感が高まるという男性の声もあります。

ただ普段と異なる刺激で興奮度が高まり早く果ててしまう、逆に物足りなくて勃起が維持できないなどといったリスクがあるのも確かですね。

セックス全体の満足度向上

お互いにとって気持ち良いセックスができれば、当然ながら二人の満足度は高まります。

上に同時オーガズムまでは得られなかったとしても、女性がイケれば「置いてけぼり感」はなくなり、男性も「ちゃんと満足させてあげられた」という自信につながるでしょう。

どちらか一方が不満を感じる状況が減れば、セックスに対するポジティブな印象が強まり、今後も積極的に楽しもうという気になれると思います。

実際、当サイトでも(あるいは他でも)いいセックス体験によって価値観や考え方が変わったという女性は何人もいます。

もちろん、そうではなかった女性もいるので、セックスは本当に難しいのですが。

パートナーシップ・信頼関係の強化

CAT法は二人三脚のような協力プレイです。

呼吸や動きを合わせ、コミュニケーションしながら快感を探っていくプロセスそのものが、カップルの絆を深めるきっかけになります。

お互いの体のこと、感じるポイント、ペース配分、気持ちなどを理解し合うことで、セックス以外の場面でもオープンに話しやすくなるかもしれません。

「一緒に練習して上達した」という共有体験は連帯感を生み、気持ちも近くなりますよね。

女性の性的自信と主体性向上

CAT法によって「セックスでオーガズムを得られた」という経験を積むことは、女性にとって大きな自信につながります。

自分の身体の反応を知り、パートナーと協力して気持ちよくなる方法を身につけることで「自分もセックスをリードして良いんだ」「感じることは恥ずかしくない」というポジティブな意識が芽生えます。

これは女性が自身の性行為に対してより積極的に、主体的になれるわけで、結果的に相手との関係でも対等でオープンなコミュニケーションができるようになるでしょう。

CAT法のメリットまとめ

以上のように、CAT法には単に「女性がイキやすい」というだけでなく、2人の関係性やセックスに対する考え方にも良い影響を与えるとされます。

もちろん個人差、あるいはカップル差はありますが「最近マンネリ気味」「自分ばかり我慢している気がする」という場合には、新しい刺激として試してみる価値はあるでしょう。

CAT法のやり方:体位や動かし方について

では、CAT法の具体的なやり方について説明しますね。

動画を載せられれば動きが一目でわかりやすいのですが、YouTubeには当然載っていません。

海外のサイトなら載っているんですけど、引用しづらいので。

「Coital Alignment Technique」で検索すれば見つかるので、興味のある人は自己責任でやってみてください。

事前準備

まずはCAT法をやってみたいと伝えることが大事です。

「こんな体位があるんだけどやってみない?」と提案をすることで協力を得やすくなります。

(ただし当サイトで知ったとは言わないように。特に女性は。)

何をやるかわかっていたほうが気持ちの準備ができますので、お互いがリラックスして取り組める雰囲気になりますよね。

特に男性側が挿入後にいきなりやってみて、うまくいけばいいですけど、仮に失敗したらちょっとバツが悪い感じになりますので。

正常位で挿入する

基本となる体位は上でも書いたように正常位をアレンジしたものです。

まず、パートナーと向かい合って男性が上・女性が下になる一般的な正常位で挿入します。

ちなみにCAT法に限った話ではありませんが、クリトリスは高い感度を持つ反面、デリケートな部分です。

十分に興奮して潤っていない状態でこすり続けると、刺激が強すぎたり痛みになることもよくあります。

普段以上に入念に前戯をしてもらい、女性がしっかり濡れてから挿入しましょう。

必要に応じて潤滑剤を使うのもおすすめです。

ここまでは普段の正常位と同じですね。

体の位置をずらす

挿入したらすぐ激しく動くのではなく、最初は位置合わせの調整から始めます。

挿入したまま、男性の陰茎の付け根や恥骨部分が女性の恥骨あたりにしっかり当たる位置関係になるように、男性が自分の体を少し女性の頭側(上方)にずらします。

イメージとしては、男性が女性に覆い被さる位置から少し上に乗り上げる感じです。

CAT法の目的は挿入時にクリを刺激することなので、それに合ったポジションに移動するわけですね。

男性はゆっくりと自分の体を上方にずらし、女性はどの角度でクリトリスに当たると気持ちいいか探ってみましょう。

お互いに「この辺かな?」と確認しながら位置を合わせ、良いポイントが見つかったらそこで動きをキープします。

女性のクリトリスの位置や角度は個人差があるので、最初のフィット感を見つけるまで焦らずゆっくり行うのが成功の秘訣です。

クリトリスを圧迫する意識

男性の股間で女性のクリトリスを刺激できる姿勢になったら、その圧迫状態をキープします。

密着感が強すぎると痛みを感じることもあり、逆に緩すぎるとクリ刺激ができなくなることもあるので、ここはコミュニケーションしながらの体位調整が必要ですね。

お互いの体格によっては、標準的な正常位の形のままだとクリトリスに当たりにくかったり、女性が苦しい姿勢になる場合もあります。

その際はクッションや枕を活用するといいです。

例えば、女性のお尻の下に小さめのクッションを入れると骨盤の角度が変わり、男性との密着度が増してクリトリスに当たりやすくなります。

また男性は腕立て伏せのように上体を支えず、できるだけ女性に胸を預けるようにして体重をかけると密着が深まります。

ただし重さで苦しくない程度に調整してください。

動きは押し付ける、こする

一般的な正常位ではピストン運動(出し入れ)が多いですが、CAT法では常にクリトリスを刺激するような状態をキープします。

体位が整ったら、2人で息を合わせてゆっくりと動き始めます。

通常の挿入のような大きな出し入れ(深いストローク)は行わず、2人の腰を前後・上下に小刻みに動かして股間をこすり付け合うような動きですね

「こする」というと強めの刺激のイメージがあるかもしれないので、軽く押し付けてマッサージするようなイメージのほうがいいかもしれません。

全体的な動きはスローで粘り強いイメージです。

短時間で一気に絶頂にもっていくというより、じわじわ高め合っていくスタイルなので、途中でなかなかイケなくても焦らず続けてみましょう。

男性側は自分が先にイキそうになったら一度動きを止めてキスや愛撫に切り替え、少し落ち着いてから再開するといったペース配分も有効です。

お互いのリズムをあわせる

CAT法ではお互いの動きの協調がとても大切です。

クリトリスへの密着感が強すぎないよう、あるいは弱すぎないように動きを合わせる必要があるからです。

工夫としては、たとえば女性が腰の確度や足の位置を変えることで、自身が気持ちいい当たり方を探ることもできます。

また腕や脚の力ではなく、骨盤(腰)を中心に体を揺らすようにするのがポイントです。

お互いに抱き合うように密着しながら、下半身だけでリズムを取る感覚がコツとのこと。

CAT法では2人のタイミングが重要なので、コミュニケーションを取りながらリズムを作ります。

声に出して「このくらいの速さで」「もう少し強く押して」など伝えても構いません。

慣れてきたら言葉がなくても自然と呼吸や身体の動きで意思疎通できるようになりますが、最初は遠慮せずお互いの希望を伝えましょう。

うまくいけば、だんだん二人の動きがシンクロしてきて心地よいリズムが生まれます。

もちろん2人で「動きを合わせる」感覚が大事なので、2人同時に動くのではなくどちらか一方が動いたほうが目的に合っているなら、もう1人はムリに動く必要もありません。

リバースCAT法とはグラインド騎乗位のこと

CAT法には「リバースCAT」とも呼ばれる女性が上になるバリエーションもあります。

これはいわゆる騎乗位(女性上位)で、女性が男性の体にクリトリスをこすりつけるような動きをするグラインド騎乗位というやり方ですね。

日本の場合、騎乗位でのグラインドはAVなどで比較的よく見かけるため、本来のCAT法よりもむしろ認知度は高いかもしれません。

女性自身が動きをコントロールできるため、体格差が大きいカップルや男性が上になる正常位だと苦しい場合などにも向いています。

「相手の体と密着してこすり合わせてクリトリスを刺激する」という基本は同じなので、騎乗位が大丈夫な女性は実践してみてください。

個人的にはCAT法をそのままやるよりも、こちらのほうが最初はいいかなーと思います。

CAT法の失敗しやすいポイント

これまで紹介したようにメリットが多くあるとされるCAT法。

ですが実際にには、慣れないと結構難しい部分が正直あります。

まずはCAT法を実践する際によくある悩みや失敗例と、それに対する対策や改善ポイントを紹介します。

クリトリスにうまく当たらない

「やってみたけど、うまくクリトリスに当たらない」というのはよくあります。

対策としては、先述のようにクッションを使って角度を調整したり、思い切って一度動きを止めて女性側から手で誘導することです。

「もう少し上」「もうちょっと下」など具体的に誘導して、最適な位置関係を探しましょう。

男性の恥骨あたりがクリトリスにしっかり押し付けられるポイントが見つかればOKです。

動きのリズムが合わない

2人でリズムを合わせるのは簡単そうで難しいんですよね。

最初は緊張や不慣れな状態からぎこちなくなることも。

なので最初は男性がリード役になるといいです。

男性がゆっくりと下半身を揺らし、女性はそれを受け止めるイメージです。

そこから徐々に女性も動きを合わせたり、時に押し返す動きを加えたりしていくといいでしょう。

音楽をかけて曲のリズムに合わせるのも1つの方法です。

また通常のピストン運動とは違う動きのため、慣れないうちは途中で抜けてしまうことがあるかもしれません。

そんな時は再度挿入して体勢を整えればいいです。

抜けにくくするコツとして、動きの幅を大きくしすぎないことです。

小さな揺れ幅で擦りあわせるようにすれば抜けにくく、クリトリスへの刺激もキープしやすくなります。

男性に刺激が足りず物足りない

CAT法は女性の快感を重視する動きのため「男性側があまり気持ちよくないんじゃ?」という心配もあるでしょう。

確かに通常のピストンとは異なるため、物足りなく感じるかもしれません。

対策として、通常の動きと組み合わせるのもありです

例えば最初はCAT法からスタートし、途中で通常のピストン運動に切り替えて刺激を強め、またCAT法に戻るといった流れでもOKです。

ずっと同じ動きに拘らず、2人が気持ち良くなれるよう緩急をつけてもいいのは通常のセックスと同様ですね。

体力的に疲れる・筋肉痛になる

要は2人でこすり合う動きにフォーカスしているわけで、ポイントはクリへの密着感。

ですので、そのぶん普段の正常位での動きにはならず、また動きに良くも悪くも制限があるわけです。

普段使わない動きをすることで早く疲れてしまったり、翌日に腰や太ももが筋肉痛なんてこともあるかもしれません。

特に男性は腕で支えずに密着する体勢のため、腹筋や背筋を使うことになりますし、女性も腰を持ち上げたりする動きで下腹部に力が入ります。

対策として、無理のない範囲で休憩を挟むことや、前述の女性上位(リバースCAT)に交代してみるのがおすすめです。

一度正常位で試して疲れたら体位を変えて休み、また戻ってくるという風に気楽にやりましょう。

そもそも長時間やらなくてもいいので、2人が疲れを感じる前にタイミングを見計らってフィニッシュに向かってもOKです。

精神的に焦りや不安を感じる

「うまくいかなかったらどうしよう」「絶対イカなきゃとプレッシャーを感じる」など、メンタル面で力んでしまうこともよくあります。

対策として大切なのは、結果よりプロセスを楽しむ意識を持つことです。

うまくできなくても2人で笑い合えるくらいの気楽さでいいです。

もともとCAT法は2人でイチャイチャしながら快感を高めていくもの。

「絶対成功させなきゃ」ではなく「ちょっとした変化を一緒に試してみよう」くらいの軽い気持ちのほうが向いています。

CAT法についての科学的・医学的な研究まとめ

上の方で論文も紹介したように、CAT法の有効性については、セックスの科学・医学分野でも研究が行われています。

最初にCAT法を提唱したエドワード・アイケル氏らは、1988年に学術誌に発表した研究の中で、CAT法が女性のオーガズム達成率を高め、さらにカップルの同時オーガズムの頻度を増やす可能性があることを報告しました。

この報告は「従来のやり方を見直すことで女性の性的満足が向上し得る」という視点を示しました。

その後、1990年代に入るとCAT法に関する追加研究がいくつか行われています。

1992年には有名な性科学者でセックスセラピストでもあるヘレン・S・カプラン博士がCAT法を試してもらう試みを報告したそうです。

ところがこの報告では、残念ながら「劇的な効果は確認できなかった」とされています。

カップルたちが慣れない動きに戸惑ったり、失敗への不安から数回で一般的な挿入に戻してしまったケースが多く、十分にCAT法を実践できなかった可能性が指摘されました。

博士自身「もっと多くのセラピストがこの技法を検証すべきだ」と呼びかけており、CAT法のポテンシャル自体は認めつつも当時は結論が出なかったんです。

それに応えるように、1990年代後半には別の研究チームによる本格的な比較実験が行われました。

1995年の研究では、カップルを対象にCAT法のトレーニングを行ったグループと、女性に対してクリトリスオナニーを指導したグループを比較しているそうです。

その結果、どちらのグループも前より女性のオーガズムの頻度や満足度は向上したとのこと。

(余談になりますが、つまりオナニーや自己開発の有効性は科学的・医学的裏付けがあると言えます。詳しくは感度を上げたい女性必見!セックスでイキやすい体になる、ひとりエッチのやりかたなどをお読みください。)

そして特にCAT法を練習したカップルでは「セックス中のオーガズムの一貫性(ムラが減る)やオーガズムの強度、全体的なオーガズム回数」が統計的に有意に改善したと報告されているそうです。

つまり、パートナーとの「挿入性交」に焦点を当てたCAT法は、オナニーによる自己開発以上に「セックスそのもの」でオーガズムを得やすくなる可能性がある、という報告ですね。

さらに2000年には過去の研究を総括する形で、CAT法に関する複数の調査結果をレビューした論文も発表されているとのこと。

その中では、性交でオーガズムを得にくい多数の女性にとってCAT法は重要な選択肢になり得る、と結論づけられたそうです。

くわえてCAT法を習得し熱心に実践したカップルほど効果が高く現れる傾向も指摘され、新しい動きに慣れて継続することが成功のカギと分析されているそうです。

なぜ挿入時のクリトリス刺激がポイントなのか?医学的な裏付け

医学的な視点からも、なぜCAT法が有効なのかを裏付ける研究があります。

女性の性的反応に関する解剖学的な調査によれば、女性が挿入だけでオーガズムに達しやすいかどうかは、クリトリスの位置など体の構造による個人差が大きいことがわかってきました。

具体的には、クリトリスと膣口との距離が一つの要因で、計測ポイントとして膣口の代わりに尿道口を用います。

クリと尿道口の距離が約2.5センチより大きい女性は、体の構造的に挿入時にクリへの刺激がされづらいことになります。

そのため従来の体位での挿入ではオーガズムに達しにくいという報告なんですね。

これは、クリトリスが膣から遠い位置にあるほど普通の正常位ではクリへの摩擦刺激が伝わりにくい可能性を示しています。

一方、この「クリトリスと膣の物理的距離」が短めの女性は挿入時にクリも刺激されやすいため、オーガズムを感じやすい傾向があるとのことです。

ざっくりまとめると、クリと尿道口が2.5cm以内の女性は挿入でイキやすいが、それ以上の女性はイキにくい、ということになります。

また挿入時の刺激ポイントの1つであるGスポットについては、近年では特定の独立した器官ではなく、クリトリスの内部構造の一部にすぎない可能性が高いと専門家の間でも言われています。

解剖学的な研究でも、膣内に明確なGスポットが存在するという証拠は乏しく、いわゆるGスポットへの刺激も結局はクリトリス(陰核)の内部組織を刺激して感じているのではないかというわけですね。

Gスポットはクリトリスの根っこというのは、そういう意味です。

また「Gスポットを探すより、最初からクリトリスにフォーカスした方が女性は感じやすい」と示唆する専門家もいます。

科学的データをまとめると、こうなります。

挿入だけで女性がオーガズムに達するのは少数派であり、挿入時の女性のオーガズムの大半はクリ刺激がポイントになっているため、多くの女性にとっていかにクリトリスを刺激するかが重要。

CAT法は、そのクリトリス刺激を挿入性交の際に効果的に行おうとする方法なので、理にかなったアプローチだと言われているわけですね。

もっとも、研究でも指摘されているようにパートナー同士が協力して新しい動きに慣れることが大事です

個人的には「パートナーとの協力ができれば苦労しないよ」って女性も多いと思うので、個人と言うよりもそのカップルにとっての向き不向きがあるやり方だと思います。

むしろ女性上位で自身の好みの動きでクリをこすりつける動きのほうがやりやすいかもしれません。

また当サイト内でも紹介しているように、クリ刺激をしないでもオーガズムに達するアプローチはいろいろあります。

このあたりは歴史的にウーマンリブ運動の影響からクリトリス信奉の強いアメリカと、そうでもない日本の現場感覚で乖離がある部分だと思います。

重要なのは1つのやり方にとらわれすぎないことだと思いますね。

SNSや体験談に見るCAT法の成功談、失敗談

CAT法を実践した人々の声をSNSやネット上の体験談から拾ってみると、実にいろいろです。

良かったという意見もあれば、難しかったという意見もあります。

成功したケースの声は、たとえばこのようなものです。

「初めて挿入でオーガズムを感じることができました! 今まではクリトリスを後から触ってもらわないとイケなかったのに、CAT法を試したら自分でも驚くほど自然に高まっていって。そのまま彼と一緒に絶頂を迎えられて感動しました。」(30代女性)

「正直半信半疑だったけど、やってみたらこれはすごい…。終わった後、彼と『何でもっと早くこれを知らなかったんだろうね!』と笑っちゃったくらい。おかげでセックスが前より楽しみになりました。」(20代女性)

いっぽう、うまくいかなかったケースも、もちろんあります。

「彼とも興味津々でチャレンジしたんですが…正直よく分からないまま終わってしまった感じです。角度が悪いのか、私が期待しすぎたのか、『こんなもん?』という印象で終わってしまい、途中で普段の正常位に戻しちゃいました。」(30代女性)

「試してる途中で彼のアソコが抜けちゃうし、何だかリズムもうまく合わなくてお互い疲れてしまいました…。結局その時は私もイケずじまいで、彼も『難しいね…』としょんぼり。ただ、後日もう一回トライしたら少しコツが掴めて、その次でようやく成功!今ではお気に入りの体位になりました。」(20代女性)

このように、人によって最初からうまくいく場合と、何度か試行錯誤が必要な場合があります。

SNSでも「最初は戸惑ったけど徐々に良さが分かってきた」「2~3回目で『あ、こういうことか!』と掴めた」といったコメントが見受けられます。

また「自分たちは昔から自然とこの体位をやっていたかも」「名前は知らなかったけど、うちの定番です」という人もおり、意識せず似たような動きを取り入れていたカップルもいるようです。

CAT法は一般的な挿入行為とは結構違いがあるので、失敗しても当然の行為です。

諦めずに工夫しながら続ければ、コツを掴んできてうまくいく可能性が高まります。

失敗しても笑い話にできるくらいの関係なら、成功の可能性は高いでしょうね、CAT法に限らず。

日本におけるテクニックとCAT法との比較

CAT法は元々アメリカで生まれた概念です。

先にも述べたように、アメリカは女性のクリトリス信奉というかクリトリス主義というか、それが特に強いです。

いっぽう日本での性知識界隈の文脈で考えたときに、似たような体位やテクニックはあるでしょうか?

体位として近い発想なのは、やはり騎乗位(女性上位)。

特に女性が股間を擦りつける動きをするグラインド騎乗位、あるいは腰振り騎乗位と呼ばれるポジションがそうですね。

女性が自分の動きで腰を擦りつけ、クリトリスを相手の恥骨に当てながら刺激を得ることで気持ちよくなれる体位です。

上でも紹介したリバースCATは、まさにこれ。

多くの女性が「上になったほうがクリトリスに当たりやすい」と感じるのは、CAT法と原理的に共通しています。

ただし、騎乗位は女性主導で女性が動くのに対し、CAT法(基本形)は男性が上で二人同時に動くという点に特徴があります。

どちらが優れているという話ではなく「女性自身でコントロールしたいなら騎乗位」「二人で合わせていきたいならCAT法」という違いですね。

実際には、気分やその時の状態によって両方やってみるといいと思います。

日本の文化に目を向けると、昔の春画などにはさまざまな体位が描かれていますが、女性の絶頂を科学的に分析して体位に反映するという発想は比較的最近のものです。

昭和から平成にかけても、セックスマニュアルや雑誌の特集ではもっぱら男性向けの情報が多く、女性向けの情報はそれに比べれば多くはありませんでした。

しかし平成後期から令和にかけて、女性誌やインターネットで「女性もセックスで楽しんでいい」「オーガズムを感じるためのテクニック」が積極的に発信され始めました。

その流れの中で、クリトリスを刺激しやすい体位としてCAT法が紹介されるケースも増えてきました。

このように、徐々にではありますが日本でもCAT法やそれに類する考え方が知られつつあります。

それにもともと日本では、挿入中に手やおもちゃでクリトリスを刺激するという工夫も広く知られています。

たとえばパートナーに挿入してもらいながら、自分の指やバイブレーターでクリトリスを愛撫するという方法です。

これも本質的には「挿入+クリトリス刺激」で、CAT法と目的は同じです。

違いがあるとすれば、CAT法は体位と動きだけでクリトリス刺激を行うのに対し、こちらは道具や指を使用する点です。

どちらが良い悪いではなく、好みに応じて使い分ければいいです。

まとめると、日本独自の体位の中にCAT法と同じものはありませんが、女性の快感を重視するという意味では共通する工夫はいくつも存在します。

そして現代の日本では海外発のCAT法のようなテクニックも積極的に取り入れられ始めています。

大切なのは文化の違いに囚われることではなく、自分たちカップルに合った方法を柔軟に取り入れることです。

CAT法はその選択肢の1つになり得るでしょう。

CAT法のまとめ

CAT法(コイタル・アラインメント法)は、女性がセックスでイキやすくなるための体位と動きのテクニックです。

クリトリスへの刺激を高めるために体位を工夫し、2人で息を合わせて股間を擦り合わせるこの方法は、新たな快感を得られる可能性を秘めています。

挿入だけでは感じにくかったという女性ほど、その効果を実感しやすいかもしれません。

いっぽうで、くり返しになりますがCAT法は万能ではありません。

うまくハマれば効果は期待できるが、フルにやるとなると互いの協力が必要で、簡単ではない方法といえます。

お互いに心身両面で協力しあえるカップル向けでしょう。

いわゆるポリネシアンセックスがワンナイトの関係性では難しいのと同様です。

要注意!ポリネシアンセックスのやり方は素晴らしいが欠点もあります

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ですが、そのプロセスも含めて相手と楽しみながら工夫を重ねることで2人の絆が深まり、セックスに対する満足度が高まっていく可能性があります。

女性のオーガズム促進というだけでなく、お互いを思いやり協力し合う過程そのものが、2人の関係にポジティブな影響を与えることも考えられます。

それこそ通常のセックスで行う体位変化の1バリエーションとして用いてもいいと、個人的には思います、ていうかそうしている人は普通にいるでしょう。

もしあなたがもっと積極的に感じてみたいと思っているなら、CAT法を選択肢の1つとして知っておいてください。

参考文献
1.Eichel, E. W., Eichel, J. D. S., & Kule, S. (1988). The technique of coital alignment and its relation to female orgasmic response and simultaneous orgasm. Journal of Sex & Marital Therapy, 14(2), 129–141.
2.Kaplan, H. S. (1992). Does the CAT Technique Enhance Female Orgasm? Journal of Sex & Marital Therapy, 18(4), 285–291.
3.Hurlbert, D. F., & Apt, C. (1995). The coital alignment technique and directed masturbation: A comparative study on female orgasm. Journal of Sex & Marital Therapy, 21(1), 21–29.
4.Pierce, A. P. (2000). The Coital Alignment Technique (CAT): An overview of studies. Journal of Sex & Marital Therapy, 26(3), 257–268.
5.Anderson, J. (2019). 10 Things to Know About the Coital Alignment Technique (CAT). Healthline.
6.HealthDay News (2016). Anatomy may be key to female orgasm. Medical Xpress.
7.Eichel, E. W. (2005). Coital Alignment – The Bleeping Herald Excerpt.

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マリモ

女性の絶頂ブログを2012年から運営しています。

・応募人数1700名以上の女性のリアルな声
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以上をベースに、どうすれば女性にとって気持ちいいセックスができるのかを長年追求している一般人男性(オッサン)です。

中イキや脳イキをはじめとしたオーガズム全般や感度をアップする方法、セックスを楽しむためのさまざまなプレイなどについて書き続けています。

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