女性の絶頂ブログでは10年以上に渡り、女性の性的快感や中イキはじめ様々なオーガズムについて、あるいはプレイについて書いてきました。
近年では、いろいろな立ち位置の人が中イキなどの情報を発信するようになりましたよね。
女性のオーガズムは個人差が非常に大きくまた多彩なため、1人の意見でカバーできる範囲に限界があることから、さまざまな意見の存在は喜ばしいことだとは思います。
いっぽうで「何を信じていいのかわからない」という女性も多いんじゃないでしょうか?
そこで今回あらためて、科学的医学的エビデンスをふまえた女性の中イキ・膣オーガズムに関するまとめ記事を作成します。
この記事だけでなく各テーマごとに詳細を解説した記事も随時追記しますが(現時点で10記事ほど用意済)、まずは女性の中イキ(膣オーガズム)に関する一般的かつ総合的な記事から掲載しますね。
中イキについての基準となる基礎知識は、これだけでも充分かなと思います。
そもそも中イキ(膣オーガズム)とは?
中イキとは一般的に、膣への挿入刺激によって女性がオーガズム(性的絶頂)に達することです。
女性がオーガズムに達すると、膣壁や子宮など骨盤周辺の筋肉がリズミカルに収縮し、全身の緊張が解きほぐされる強い快感が得られます。
このとき女性の体内では「オキシトシン」「エンドルフィン」「プロラクチン」といったホルモンが放出され、陶酔感やリラックス効果をもたらします。
クリトリス(陰核)への刺激によるクリイキ(クリトリスオーガズム、あるいは外イキとも)よりも、中イキは体の奥深くで起こると表現されることが多いです。
ただし、さんざんくり返していることですが、中イキ(膣オーガズム)は誰にとっても簡単に生じるものではありません。
多くの女性はクリトリスへの刺激によってオーガズムに達しやすい一方で、挿入だけで毎回オーガズムに達する女性は半数以下。
ある報告では、70~90%の女性は挿入だけではオーガズムに達することができない、言い換えれば挿入だけでイケる女性は10%から30%ともされています。
そして「セックスによるオーガズムを一度も得たことがない」という女性も、10人に1人ほどいるという調査結果もあります。
このあたりの数値は当サイト開始時から大きな変化はありません。
また中イキしたときの女性の感じ方にも個人差があります。
一般的には中イキはすごく気持ちいいといったイメージがあるでしょうし、たしかにそう感じる女性は多いです。
いっぽうで、このサイトでも過去に紹介したように、自覚するまで中イキに気づいていなかった女性もいます。
つまり、その女性にとっては世間で言われているような強度も質感も違う快感というものではなく、普段から感じていたオーガズムの感覚だった、というわけです。
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中イキしていることに気づいていなかった 麗
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これらは決して珍しいことではなく、女性の中イキ含めオーガズムの感覚や頻度・イキやすさは個人差が大きいんですね。
ですので当然ながら、中イキできるかどうかで「正常」「異常」を判断するべきではありません。
むしろ女性のオーガズムは非常に複雑で繊細であり、様々な条件が整って初めて起こるものだということなんですね。
外イキと中イキの違い
近年の研究では、オーガズム自体の生理学的メカニズム(骨盤筋の収縮や脳内快感物質の放出など)は外イキも中イキも共通しているという説が有力です。
そうは言っても実際の女性の感覚や、男性から見た現場レベルでの実感とは大きく異なりますよね。
ですので、たとえメカニズムが同じだとしても強度やホルモンの放出量、あるいは放出の割合が大きくことなるため、感じ方も違うのではないかといった印象を抱いています。
とはいえ、刺激の部位や感じ方に違いがあるという点は、研究でも明らかなようです。
クリトリス刺激による外イキ
- 比較的短時間で達成しやすく、強い快感が“ピリッ”とした形で集中して起こる
- 「すぐにイキたい」「ストレス解消したい」ときに便利
膣内部の刺激による中イキ
- じんわりと深い快感や全身へ波及するようなオーガズムとして報告されることがある
- 感情的な高まりやパートナーとの一体感を感じやすい場合もある
おおむね、このような違いがあるとされます。
総じて快感の深さや質は中イキのほうが上回っているとされる一方で、クリイキは手軽でストレス解消になる、あるいは寝る前にオナニーでクリイキするとよく眠れるといったという女性の意見も多く、どちらが優れている・劣っているというものではありません。
なお「中イキすると潮吹き(スキーン腺や膀胱からの液体放出)をするのか?」という疑問もあるかもしれません。
外イキ中イキ問わず、潮吹きの有無もまた個人差が大きいため、オーガズムに必須の現象ではありません。
イッたからといって吹くものではなく、吹いたからといって必ずしもイッた、あるいは気持ちよかったといったものでもありません。
ですので吹かせようとするのはあくまで趣味の領域で、女性の快感やオーガズムとの関連性は薄いといっていいでしょう。
当サイトで載せている潮吹きの実例も「自然な潮吹き」であって、吹かせようとして吹いた潮吹きではありません。
女性としては、潮吹きできないからといって不安になる必要はなく、あくまで一部の人に見られる生理現象だと思っていて構いません。
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潮吹き初体験 なつな
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最新の科学的知見:中イキの生理学・神経・ホルモン・心理
さて、近年の研究により、女性の膣オーガズムについて様々な新事実が明らかになっています。
ここでは医学的・科学的視点から「中イキ」のメカニズムと関連研究を紹介します。
中イキの生理学的メカニズムと神経の働きについて
女性の性的快感は、基本的にはクリトリスや膣内部などの性感帯への刺激が神経を介して脳に伝わることで生じます。
体のへの刺激が神経を通じて脳に伝わり、脳が快感と判断して絶頂に達するわけですね。
過去にも「イクのは最終的には脳」といった話をしたと思いますが、それはこういう仕組みからです。
そして、刺激を与える部位は性器や性感帯だけとは限りません。
当然ながら快感を覚えるのは触覚がメインですが、聴覚でも快感に転換できます。
聴覚は、空気が鼓膜に「触れて振動する」ことで得られる感覚と考えれば、比較的触覚に近いのでまだわかりやすいかもしれないですね。
たとえるなら「イケボが心地良い」という感覚の延長線上にあるようなものなので、女性にとってはイメージしやすいかと思います。
また、必ずしも快感が伴っていないとしてもオーガズムのきっかけになる刺激という点では、視覚や脳内のイメージすら絶頂へのトリガーになり得ます。
視覚は「目を合わせるとイク」、脳内のイメージはいわゆる「脳イキ」ってやつです。
それらさまざまな刺激による女性のオーガズムの実例は、当サイト内にいろいろと載せていますので見てみてください。
それらは今でもヤラセじゃないかと疑われることがあるのですが(笑)女性のオーガズム能力がすごいというだけのことなので、ヤラセをする必要がないですね。
また興味深いことに中イキについては、膣、子宮頸部(ポルチオ)、クリトリス、子宮から脳へ信号を送る4つの異なる神経経路が存在し、どの経路からの刺激でもオーガズムに達しうることが分かっています。
具体的には次の通りです。
- 陰部神経:クリトリスや膣入口の刺激を脳に伝達
- 骨盤神経:膣壁の奥の刺激を脳に伝達
- 下腹神経:子宮の刺激を脳に伝達
- 迷走神経:子宮頸部(子宮の入り口)の刺激を脳に伝達
そのため下半身が麻痺している女性でも、子宮頸部への刺激が迷走神経を介して伝わりオーガズムに達するケースも確認されています。
先に挙げたいわゆる「脳イキ」と呼ばれるような、身体への直接的接触なしに妄想やイメージだけでオーガズムに達するケースでも、脳内では通常のオーガズム時と同じ部位が活性化することが確認されています。
こうした発見は、オーガズムが単なる生殖器の反射ではなく、脳が司令塔となる複合的な現象であることを示しています。
中イキとGスポットの関連性は?
中イキ(膣オーガズム)については長年、Gスポット刺激がカギだとされてきました。
Gスポットとは膣の前壁にあるとされる快感スポットで、サザンオールスターズの曲にもなるくらい一時は注目されていましたが、その実体については議論があります。
近年の解剖学的研究では、Gスポットと呼ばれる敏感帯は独立した器官ではなく、内部に広がるクリトリス構造の一部ではないかとする説が有力です。
わかりやすく言えば、Gスポットはクリトリスの根っこのようなものだ、ということです。
クリトリスは外陰部に突き出た豆粒大の部分(陰核亀頭)だけでなく、内部に脚のように左右に伸びる海綿体や膣口を囲むような球状部を持つ複雑な構造をしています。
膣の前壁を刺激すると、この内部クリトリスが圧迫されて快感を生じるため、結果的に「膣でイッた」と感じても、実際にはクリトリス系の刺激でオーガズムに達しているケースが多いと考えられています。
一方、子宮頸部(ポルチオ)や子宮自体の刺激によるオーガズムも存在しうることから、女性のオーガズムはクリトリスだけでなく骨盤内の様々な性感帯を含む「CUV複合体(クリトリス・尿道・膣複合体)」として捉えるべきという意見もあります。
中イキのしやすさと解剖学的な個人差とは?
女性が中イキしやすいかどうかは、解剖学的な個人差にも影響されます。
アメリカの研究では、クリトリスと膣口の距離がオーガズムの得やすさに関係するという報告があります。
クリトリスと膣口が近いとイキやすく、クリトリスが膣口から離れて位置するほどイキにくい、ということです。
具体的には、クリトリスと尿道口(膣口に隣接し、膣口よりも位置を計測しやすい)の間が2.5cm以内と近い女性ほど、挿入だけでもオーガズムに達しやすい一方、3cm以上離れていると挿入だけでオーガズムに達するのは難しい傾向があるとのことでした。
これ、気になる女性は自分でも確認できると思うので、確かめてみてください。
なお言うまでもなく、クリトリスと膣口との距離は生まれつきのその女性の体の特徴です。
クリトリスの位置が膣口から離れ気味の女性は、どんなにテクニックを駆使しても通常の挿入体位では刺激が伝わりにくいわけですね。
この新知見は「膣でイケる/イケない」は女性の努力や精神論だけでなく、身体的構造に起因する部分が大きいことを示しており「イケないのは本人やパートナーのせいではない」と科学的に裏付けています。
もちろん、いろいろな工夫で対処できることでもあるのですが、ほかにも生まれつきのさまざまな個人差が女性のオーガズム能力に影響を及ぼし得るんです。
テクニックや経験だけではイキやすさ/イキにくさにのカバーは難しい場合があるのも、残念ながら事実なんですね。
オーガズムとホルモン・脳内物質の関連性
オーガズムに達した際、女性の体内では「オキシトシン」「βエンドルフィン(脳内麻薬物質)」「ドーパミン」「プロラクチン」といったホルモンや神経伝達物質が分泌されます。
なかでもオキシトシンは別名「愛情ホルモン」と呼ばれ、オーガズム時に分泌が高まることでパートナーへの愛着や安心感を増す作用があるとされています。
エンドルフィンやドーパミンは強い快感と多幸感をもたらし、ストレスを軽減したり鎮痛効果を発揮したりします。
これらのホルモン分泌によって、オーガズム後には幸福感やリラックス効果が得られ、心身が満たされる余韻が残るんですね。
興味深い脳科学の研究では、女性がオーガズムに達した瞬間、脳内の報酬系回路(快感に関与する部位)や感情を司る部位が広範に活性化することが確認されています。
オーガズムは一種の脳のご褒美反応とも言え、性的興奮が高まり絶頂に至ると「脳内で花火が上がるような状態」になるんです。
また、オーガズムに至る直前には不安や恐怖を感じる脳の扁桃体の活動が低下し、判断や理性をつかさどる前頭前野の活動も低下するという報告もあります。
これはオーガズムに達するためには理性や不安を手放し、解放的な状態になることが重要であることを示唆しています。
この「不安を手放し」「開放・解放」といったことも、以前から当サイトで言っていることですね。
中イキの心理的要因とメンタルの影響とは?
女性のオーガズム、とりわけ中イキは心理的な要因も大きく影響します。
緊張や不安、ストレスが強いとき、また心にブロック(罪悪感や恐怖心など)があるときには、身体が興奮していてもオーガズムに達しにくくなります。
実際、女性のオーガズム障害(いわゆる「イキにくさ」)の主な原因の一つは心理的要因であるとされています。
- 「パートナーを満足させなければ」というプレッシャー
- 「自分は感じにくいのでは」という不安
- 過去の性的トラウマ
- 自身の外見(ボディイメージ)の悩み
以上が主な心理的ハードルとなり得ます。
こうした不安や心配事が頭をよぎるとリラックスできず交感神経が優位になるため、オーガズムに必要な集中や高揚感が妨げられてしまいます。
わかりやすく言えば「緊張してアガっちゃう」「余計なことが気になって集中できない」状態ですね。
そういった心理状態では本来の能力が充分に発揮できない、パフォーマンスが低下するということは、試験やスポーツの試合などに置き換えればイメージしやすいかと思います。
また、その女性の性に対する考え方には、育った環境や社会的なメッセージも影響します。
たとえば思春期までに「性は恥ずかしいもの」「汚れたもの」という刷り込みを受けて育つと、自身の性的欲求を肯定できずオーガズムにブレーキがかかってしまうケースがあります。
実際に「子どもの頃に親が厳格で、テレビのラブシーンですら遮られてきた結果、性欲=いけないことという観念が刷り込まれ、大人になってもオーガズムを感じられない」という女性もいます。
このように心の持つブロックがオーガズムを阻害している場合、まずは「気持ちよくなってもいいんだ」と自分に許可を与え、パートナーともその不安を共有して解きほぐすことが大切です。
一方で、相手(必ずしも彼氏や夫などの固定パートナー限定ではない)への信頼感や親密さは、オーガズムを感じやすくする重要な鍵です。
安心できる相手とのセックスでは心身ともにリラックスしやすく、快感に身を委ねることができます。
また「この人になら自分を預けても大丈夫」という信頼があると、セックス中に恥ずかしさや遠慮が減り、自分の感じるまま反応したり要求することができます。
専門家も「性的快感やオーガズムについてオープンなコミュニケーションをとり、パートナーとの信頼関係を築くことがセクシャルウェルネスには重要」と指摘しています。
中イキ(膣オーガズム)のための実践的な方法やテクニックとは?
「中イキできるようになりたい」という女性は本当に多いですし、当サイト開始時よりも増えた印象があります。
とはいえ、これだけ情報が広まった現在でも、そう簡単なものではないのも確かです。
まずは専門家(主に海外の)の見解、そして一般女性たちの経験談などによる実践的な基本アプローチを紹介します。
骨盤底筋トレーニング(膣トレ)の性的効果
オーガズムの際に収縮する骨盤周りの筋肉(PC筋など)を普段から鍛えることで、性的快感を高める効果が期待できます。
「膣トレ」と呼ばれる骨盤底筋トレーニング(ケーゲル体操・ケーゲルトレーニングなどとも)は、膣や尿道・肛門を締める筋肉群を意識的に収縮させて鍛える運動です。
産婦人科医によると「オーガズムに関与する筋肉をトレーニングすることは有効。骨盤底筋を鍛えるとオーガズム時の膣収縮力が増して快感も強まる」とされています。
実際、海外の研究でも骨盤底筋エクササイズによってオーガズムに達しやすくなった女性がいるとの報告があります。
膣トレに関しては本やグッズも出ていますし、動画などでの解説もいくつも見つかるので、参考にできる情報源は多いですね。
具体的な膣トレ方法
基本的な膣トレ(骨盤底筋トレーニング)は以下の通りです。
- トイレを我慢するように膣と肛門をギュッと締め、5秒保つ(慣れない人は2~3秒からでもOK)。
- ゆっくり緩める。
- これを1セット10回程度×1日3セットなど、少しずつ回数を増やしていく。
動きとしてはとてもシンプルです。
座っていても立っていても取り組めますので、慣れてきたら日常生活の中でも実践できます。
朝起きたとき、歯磨き中、通勤通学時間、仕事や家事の合間、就寝前など思い出したらやってみるのもいいかもしれませんね。
膣トレ専用グッズ(重り付きのボールやトレーニング器具)を活用してもよいでしょう。
筋力アップだけでなく、骨盤底筋を意識することで膣への血流が促進され感度が向上するといったメリットも期待できます。
中イキ自己開発のためのオナニー(マスターベーション)の重要性
オナニー(セルフプレジャー・自慰・一人エッチ、最近では一人組手とも呼ばれる)は、女性が自分の体を知り快感を高めるための大切な行為です。
セックスで膣オーガズムを感じたいなら、まずは自主練習としてオナニー(マスターベーション)でオーガズムを経験するのが近道という専門家の意見もあります。
事実、女性へのアンケート調査でも「初めてオーガズムを感じたのはセックスより一人でしているときだった」という回答が多数を占めています。
女性のための自己開発オナニーのやり方
まずはムード作りが重要です。
部屋のドアを閉め、外から見られないようにし、明かりも適切な明るさにし、アロマや音楽でリラックスできる環境を整えます。
またエッチな空想や小説・マンガ、あるいは動画を見るなどして頭と心をエッチな気持ちで満たしましょう。
続いて自分で自分の体を愛撫します。
いきなりクリトリスや膣内に指を入れるのではなく、体の敏感な部分から優しく触れていきます。
具体的には耳、首筋、脇腹、内もも、膝などの敏感な箇所を優しく触れ、自分の“性感帯”を探します。
気持ちが充分に興奮し、体も十分に濡れてきたら、補助的に潤滑ゼリーなどを使いながら膣口周辺を刺激します。
そして、そっと指や小型のディルド類を挿入し、膣内の前壁(おへそ側)を探ります。
ザラザラとした部分や触れると気持ちよい場所があれば、そこが「快感スポット(Gスポットほか)」かもしれません。
気持ちいいところを見つけたら、刺激の仕方をいろいろ試してみます。
いい感じのリズムや角度、強さなどを見つけたら、それを続けてみます
また可能であればクリトリスも一緒に刺激してみます。
クリトリスと膣の相乗効果により、中イキに近づきやすくなります。
中イキ自己開発のためのアダルトグッズの活用
「どうしても指や手だけではイケない…」という場合、アダルトグッズを使うのも有効です。
中に挿入するのは、慣れないうちは柔らかい素材のスティックやディルドがお勧め。
また同時にローターでクリトリスに振動を与えたり、バイブレーターを使ってみるのもいいでしょう。
指では疲れて続けられないような持続的な刺激が得られます。
一度「ここだ!」という快感スポットが見つかれば、その刺激を繰り返すことでオーガズムに近づきやすくなります。
パートナーとのコミュニケーションと信頼関係
中イキには、パートナーとの「良好なコミュニケーション」と「信頼関係」が欠かせません。
- クリトリスも一緒に触ってほしい
- もう少しゆっくり動いてほしい
- ここを触られると気持ちいい
などの要望も、オープンに話し合える関係であれば伝えやすくなります。
ですが恥ずかしさから自分の要望を言えなかったり、演技してしまったりすると、本当の快感からは遠ざかってしまいますよね。
また、お互いの身体を理解し合う工夫も有効です。
- セックスの前に一緒にお風呂に入ってリラックス
- 明るい場所でお互いの体を観察し合う
- ゆっくりと全身を愛撫し合うスローセックス
このような行為で、体や反応を確認し合いながら進めるとよいでしょう。
当サイトで体験に来てくれた女性たちと基本一緒にお風呂に入るのも、明かりをつけたまま行為に及ぶのも、性感マッサージなどに充分時間をかけるのも、全て「気持ちいいセックスのための重要なコミュニケーション」だからです。
女性の体は興奮して十分に濡れるまで20~30分程度かかる場合もあるため、焦らず十分な前戯を行うことがポイントなんですね。
日常でのスキンシップと愛情表現
セックス以外のコミュニケーションやスキンシップも、とっても大切です。
日頃からキスをしたり身体的な愛情表現を行うカップルは、ベッドタイムでもオープンかつリラックスしたセックスをしやすくなります。
特に女性は一般的に「自分が大切にされている」という実感があると、より大胆に振る舞うことができるようになるためイキやすくなります。
より厳密に言うなら「自分が自分の望んでいるように接してもらえる・扱ってもらえる」という実感でしょうか。
たとえばイチャラブ系が好きな女性ならそういう扱いをされるほうがいいですし、Mな女性ならそういう扱いのほうが興奮できますよね。
とはいえ基本的には自分を尊重してくれる、対M的な接し方でも奥底に大切にしている感があるほうがいいのは確かでしょう。
逆に、お互いの関係がギクシャクしていたり、わだかまりや不信感があったりすると、心や体がブレーキをかけてしまい快感に集中することができなくなります。
中イキのためのその他のテクニックと工夫
ここまでに書いた内容以外にも、中イキをサポートする具体的なテクニックはいくつもあります。
比較的よく知られている代表的なものをまとめますが、その他数多あるテクニックはニッチなものも含め当サイト内にもいろいろと載せてあります。
クリトリスを中と同時に刺激する
これは比較的よく知られているでしょうね。
挿入中に、女性が自分の手やアダルトグッズでクリトリスを同時に刺激すると、膣への刺激と相乗効果で中イキできる確率が高くなります。
外と中を同時に刺激することで、より深いオーガズムに導きやすく、また快感が増幅するケースもあります。
体位を工夫する
挿入時の体位を工夫すると中イキの確率が高まることも、比較的よく知られています。
代表的な体位をいくつか紹介します。
女性上位(騎乗位)
女性が自分で「いい感じの」角度を調整しやすく、またクリトリスを相手の恥骨に擦りつけるように動けばクリ刺激も同時に得られます。
女性の中イキ成功談でもよく目にする体位ですね。
ちなみに騎乗位も大きく2つの姿勢があるのですが、確か過去記事にもあったと思いますけどいずれ紹介します。
CAT法(コイタル・アラインメント・テクニック)
CAT法(コイタル・アラインメント・テクニック)は、日本では知っている人が比較的すくない体位かもしれませんね。
少なくとも正常位、騎乗位、後背位(バック)といった一般的な体位名称ではありませんので。
CAT法とは正常位の一種で、一言で表すと「クリと中の同時刺激を正常位で行う方法」です。
男性が女性に恥骨を押し付けるように挿入して、腰をスライドさせることで女性のクリトリスを刺激する体位です。
日本に比べて女性のクリトリス信奉が強い英語圏(特にアメリカ)で有名な体位と言えるでしょうか。
Gスポット刺激は浅め、Pスポット刺激は深めの挿入で膣前壁を刺激
基本的に、女性の膣内の性感帯は前壁(おへそ側)にある確率が高いです。
ですので、挿入時にそこを刺激できるような体位の工夫がポイントになってきます。
男性のものとの相性もあるので、角度をうまく調整するなどして工夫するといいでしょう。
リズムとペース
女性の快感が現段階でのピークになっていると感じたら、いったん動きを止めてじらすことで、次のピークがより高くなり、イキやすくなることがあります。
海外ではこれを「エッジング」と呼んでいるようです。
ただし盛り上がってきたときに急に動きを変えすぎると快感が途切れる場合もあるので、ある程度の一定リズムを保ちつつ、細かい強弱をつけると効果的です。
行為や快感に集中すること
集中が大事というのは、当サイトでもくり返し書いていますよね。
具体的にどう集中するかですが、こんな方法があります。
- セックス中につい雑念が浮かんでしまう人は、呼吸に意識を向けて行為に没頭する練習をしてみる。
- 大きめに喘ぎ声を出してみたり、アイマスクを使用して視覚情報を遮断するのも集中力アップの手段です。
- 「今ここ」の感覚に意識を向けるマインドフルネスをセックスに取り入れることで、より深いオーガズムに繋がる可能性があるという報告もあります。
大きめに声を出すとなぜ集中できるかですが、フェスやライブなどで大声で叫んだりすると周りのことが気にならなくなる経験をしたことありませんか?
あれです。トランス状態ってやつです。
このトランス状態は受動的集中状態とも言うのですが、この集中状態がセックスでイクときに効果的な集中状態なんですね。
このあたりの話も過去記事探してみてくださいね。
呼吸に集中するというのは簡単な瞑想のメソッドで、マインドフルネスもそれに近いですね。
アイマスクについてはさんざん紹介しているので割愛します。
中イキをめぐる一般的な誤解の検証
中イキ(膣オーガズム)に関しては多くの誤解や神話が存在します。
以下では代表的なものを取り上げ、その真相を解説します。
セックスすれば女性は当然オーガズムに達するもの
AVなどでは毎回女優さんがイッてますけど、現実には挿入だけで毎回オーガズムに達する女性は少数派です。
中イキ(膣オーガズム)は多くの条件が重なって起こるため、努力や工夫なしに自然発生的に毎回イケるわけではありません。
膣でイケないのは女性として問題がある
いまだにある誤解のようですが、当然誤りですね。
クリトリス刺激でしかイケない女性がむしろ多数派であり、膣オーガズムの有無で「正常」「異常」を判断するのは意味がありません。
オーガズムは女性なら誰でも簡単に得られるはず
統計的には、女性の約70~90%が挿入単独ではイケません。
テクニックや相性だけでなく、女性によっては物理的に膣で感じにくい構造である場合もあり、一律に「誰でも簡単にイケる」と考えるのは誤りです。
一度もイッたことがない女性もいるし、才能みたいなものでは?
確かに生まれつきイキやすい女性、イキにくい女性がいるのは確かです。
ですが完全に二分されるわけではなく、適切な刺激や環境が得られればオーガズムを感じる可能性は潜在的に誰にでもあります。
楽しみながら気長に試行錯誤するうちに開花するケースも少なくありません。
中イキ至上主義について
近年、いろんな人が中イキについて語るようになったからか、興味を持っている女性が当サイト開始当初より明らかに増えていると感じます。
いっぽうで「中でイかなければ」という思い込みが強いプレッシャーとなり、セックス自体を楽しめなくなってしまっては本末転倒ですし、結果的にイキにくくなってしまいます。
こだわり過ぎて見失っているものはないか、注意してくださいね。
中イキや挿入に関する、よくある質問
ざっくりと、比較的よくある質問についてまとめます。
その他はサイト内をいろいろ見てみてください。
Q1. 中イキできるようになるまでどのくらい時間がかかりますか?
A.個人差が非常に大きく、一概には言えません。
1~2回のトライでコツを掴む人もいれば、数か月から数年かけて徐々に開花する人もいます。
焦らず、自分のペースでステップを踏むことが大切です。
Q2. 痛みがあるのですが、我慢していれば気持ちよくなりますか?
A.痛みを我慢し続けると、むしろ体が緊張して快感を得にくくなります。
潤滑不足や体位の不適切、あるいは体調面など原因は様々ですので、一度痛みの原因を探り、必要に応じて産婦人科や専門家に相談してくださいね。
Q3. 骨盤底筋トレーニングは毎日やらないと効果は出ないですか?
A.通常の筋トレと同様に、週に数回でも続ければ徐々に筋力向上が見込めます。
理想は1日おきか毎日ですが、まずは無理せず「継続すること」が一番です。
そして膣トレ以外でも、運動の習慣がある女性のほうがフィジカル面では中イキの確率が高くなります。
運動習慣、大事です。
Q4. オナニーの頻度は多すぎても問題ないでしょうか?
A.医学的には特に問題ないとされています。
体に負荷をかけすぎたり日常生活に支障をきたすようでなければ、回数を気にせず自由に楽しんで大丈夫です。
ただし刺激への慣れすぎで感度が鈍ると感じる人もいるため、様子を見ながら調整してください。
注意事項と参考文献
- ここでの情報は一般的な研究や体験談をもとにまとめたものであり、医療行為・診断・治療を目的とするものではありません。
- 性交時に痛みや違和感が続く、あるいは深刻な性的トラウマがある場合は、医師や臨床心理士などの専門家に相談してください。
- 性行為においてはコンドームなどによる性感染症予防を心がけ、安全と快適さを優先してください。
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