いわゆる夜の相性を示すのに一般的にはSMや性癖といった言葉が使われがちですよね。
実際、「SかMか」といった話に接する機会はあると思います。
いっぽうで「どっちかよくわからない」「なんとなくSとかMとかしっくりこない」といった女性も多いでしょう。
それも当然で、SMという分け方だけでは性的嗜好の分類は初歩的なものすらできないんですね。
そこで判別ができる基準となるものを1つ提示します。
これを性癖ポジショニングと呼んでいます。
性癖ポジショニングの考え方
- SMという横軸とギブテイクという縦軸を合わせる
- どちらの軸にもN(ニュートラル)が存在する
- ベースポジションがどこにあるかを見る
- ウイングはどこまで広がっているかを見る
おおまかな考え方は上記4つです。
横軸がS(サディスト)、N(ニュートラル)、M(マゾヒスト)からなります。
そして縦軸がGive(ギブ)、Neutral(ニュートラル)、Take(テイク)からなります。
ニュートラルはSM、もしくはギブ&テイクのどちらでもない、あるいはどちらとも言える場合です。
Nはノーマルではなくニュートラルなので間違えないようにしてください。
性癖ポジショニングのSM軸とは?
ここでのSM軸とは、一般的なSMと同じだと考えるとわかりやすいです。
ただし世間一般のSやMといったポジションだけではなく、ニュートラルというポジションもあるのがポイントです。
ニュートラルとは、SMどちらでもない、あるいはSMどちらとも言える場合です。
言い換えればSMどちらかへの偏りが少ない、あるいはSMどちらもいけるといったタイプです。
SMといった、一般的には変態的とされる行為への性的嗜好がない人はニュートラルと言えますね。
逆に、場合によってSMどちらもありといった性癖の人もニュートラルです。
「その2つが同じっておかしくない?」って思うかもしれませんが、それは4の「ウイングはどこまで広がっているかを見る」で違いが出ます。
性癖ポジショニングのギブテイク軸とは?
ギブテイクとはざっくり言うと「相手へアクションを起こすのが好きか」「相手からアクションを起こされるのが好きか」ということです。
相手へアクションを起こすのが好きなタイプはギブ、相手からアクションを起こされるのが好きなタイプはテイクということです。
いわゆるギブ&テイクといった一般的なフレーズがわかりやすいので、こうした分け方をしています。
ですので厳密な意味でのギブやテイクとはちょっと異なるかもしれませんが、説明をなるべくわかりやすくするためですのでご理解くださいね。
なおギブテイク軸にもニュートラルが存在します。
ギブテイク軸のニュートラルも、どちらかに偏りがないという点はSM軸と一緒です。
どちらにもさほど興味がない、あるいは相手へアクションを起こすのも相手から起こされるのも好きという人が、ニュートラルです。
それらの違いも、ウイングがどの程度広がっているかで分けます。
こうしてSNMとGNTで3×3の9マスが完成します。
わかりやすいSM軸とギブテイク軸の例
SM軸とギブテイク軸の具体例を挙げます。
たとえば自称ドSの男性と致してみたら、奉仕ばかり求められて思っていたのと全然違ってがっかりした、なんて女性のケース。
これは「テイクSの男性」と「テイクMの女性」の間で起きる問題です。
Sと言っても相手にアクションを起こす、たとえば緊縛したり言葉責めしたりといったプレイが好きな男性は「ギブS」という分類になります。
いっぽうで相手から奉仕されることを望む、言い換えれば相手からアクションを起こしてもらうプレイが好きな男性は「テイクS」になります。
ギブ&テイクという考え方からは、どちらかがテイクの場合はもう1人はギブのほうが関係がうまくいきやすいんですね。
上記の例はどちらもテイクであるために起きる問題です。
このようにSM軸だけでなくギブテイク軸を用いることで、より性の一致不一致を分類しやすくなります。
ベースポジションとウイングスパン
ここでベースポジションとウイングスパンについて説明します。
まずベースポジションとは、その人が本質的にはどのポジションにあるかを意味します。
私の例で恐縮ですが、ブログを見ればわかるとおり、SM軸で言えば私は基本的にはSです。
そしてギブテイク軸で言えば、相手にアクションを起こすほうを好むのでギブです。
つまり私のベースポジションはギブS=図でいう①となるわけです。
ウイングスパンとはベースポジション以外にどこまでポジションが伸びているかを示します。
たとえば私はSですが、相手によってはMになることも一応可能です。
ギブ側なので③のギブMまではウイングを伸ばせますが、ベースがSのためM側にはあまり行けません。
またギブ側と言っても、奉仕されることも全く好まないわけではありません。
ブログにもあるように、フェラをはじめ全身の愛撫などもしてもらいたいと思っています。
ですがベースがギブのため、奉仕されることに没頭する=テイクに専念することができません。
ですので「フェラすると感じる催眠」をインストールしてフェラさせて、感じてうまくフェラできない女性の姿を楽しんで眺める、なんてプレイを好みます。
つまりベースがギブのため、テイクにはあまり行けないということです。
このように私はベースが①で、②③④⑦までウイングスパンが伸びているというわけです。
ウイングスパンの広さはストライクゾーンの広さ
ウイングスパンとはストライクゾーンと言い換えるとわかりやすいかもしれません。
SM軸やギブテイク軸で偏りがないことをニュートラルとしています。
SMどっちも同じくらいいける、ギブテイクどちらも同じくらい好きといった人は偏りがない=ニュートラルで「ウイングスパンが広い」タイプです。
SMどっちのプレイでもいける、ギブテイクどちらの立場でも楽しめるという、ストライクゾーンが広い人ですね。
逆に、偏りはないが「ウイングスパンが狭いタイプ」もいるわけです。
SM軸もギブテイク軸もウイングスパンが狭いタイプは、あまり性的な行為に興味がないタイプとも言えます。
このあたりはいずれ図も載せられればと思います。
それでは次は、各ポジションの特徴を解説していきます。
性癖ポジショニングのポジションごとの特徴
①ギブS:責めるのを好む
②ギブN:性癖のSM傾斜はあまりないが相手にアクションを起こすことを好む
③ギブM:奉仕するのを好む
④ニュートラルS:責めも奉仕も好む(偏りがあまりない)
⑤ニュートラルN:性癖(SM)やギブテイクに偏りがあまりない
⑥ニュートラルM:責められるのも奉仕も好む(偏りがあまりない)
⑦テイクS:奉仕させるのを好む
⑧テイクN:性癖のSM傾斜はあまりないが相手からアクションを起こしてもらうのを好む
⑨テイクM:責められるのを好む
性癖ポジショニングの各ポジションのおおまかな特徴は上記のとおりです。
それぞれ解説します。
①性癖ギブS
Sでかつ相手にアクションを起こすのが好きなタイプ。
緊縛や言葉責め、道具による責めなどいわゆる「責めるのが好きなS」ですね。
②性癖ギブN
SやMとされる行為にはあまり興味がないタイプです。
世間的にはノーマルなどと言われますが、その中でも自分から相手にアクションを起こすのが好きな人がこちらですね。
わかりやすく言えば、相手に愛撫をするほうを好むタイプはここになります。
③性癖ギブM
Mでかつ相手への奉仕を好むタイプはここです。
相手との関係性からこのポジションになるケースが比較的多いです。
もともとこのポジションという人もいますが、比較的少数派。
④性癖ニュートラルS
性癖はSかつ、ギブもテイクも同レベルで好きなタイプ。
責める(=ギブ)のも好きだが奉仕される(=テイク)のも同じくらい好きという人はここですね。
⑤性癖ニュートラルN
SM軸にもギブテイク軸にも偏りがないタイプです。
⑥性癖ニュートラルM
性癖はMでギブもテイクも同じくらい好むタイプです。
責められるのも奉仕するのも興奮するというタイプがここです。
⑦性癖テイクS
相手から奉仕されるのを好むタイプです。
いわゆる自称Sは、このタイプが結構います。
⑧性癖テイクN
SMの偏りはあまりないが、相手からアクションを起こしてもらうのを好むタイプ。
ノーマルなエッチで愛撫されるのは好きだけど、相手に愛撫するのは苦手って女性は、ここですね。
⑨性癖テイクM
Mだが奉仕は苦手というタイプはここ。
性癖ポジショニングの活用方法
点対称の位置は相性がいい
ベースポジションの移動は移動距離が長いほどストレスになる
性癖ポジショニングの図で相性がいいのは点対称の位置の相手
たとえばテイクMの女性がいたとします。
相手から責められたい、優しくいじめられたいといったテイクMの女性がいたとします。
こうした女性と相性がいいのは、性癖ポジショニングの図で点対称の位置にあるギブSです。
ですので、まず自分のベースポジションがどれになるのか、相手はどのポジションかによってある程度相性が見分けられます。
お互いの軸が同一だと相性はイマイチになりやすいです。
ただしギブテイク軸のウイングスパンがお互いに広い場合は、今日は私がSで彼がM、明日はその逆といった「ポジションの入れ替え」をしやすいので相性がよかったりします。
ウイングスパンの広さ=ストライクゾーンの広さですので、セックスを楽しむならストライクゾーンが広いほうがいいってことですね。
いわゆるMの女性がSの男性を探すときは、このテイクSの男性を探すと好相性のことが多いです。
このように、実はSMという軸よりもギブテイクという軸のほうが、性癖の相性にとっては重要だったりします。
ベースポジションの移動はストレスになる
交際相手の影響でベースポジションを移動する場合があります。
たとえば彼氏がテイクMなのでギブSになった、なんてケースが現実のS女性には意外とあります。
この場合、もともとその女性は②のギブNか、④のニュートラルSがベースポジションであった可能性が高いです。
ベースポジションを隣に1マス移るだけなら、さほどストレスなく移動できるのが人間です。
ですが移動距離が遠くなればなるほど、本人にとってストレスになります。
「(テイクMの女性が)彼氏に性癖を打ち明けたらフラれた」なんてケースがありますが、これは単にSMの違いというよりもベースポジションの移動距離が影響していた可能性があります。
彼氏さんが⑤ニュートラルN、⑥ニュートラルM、⑧テイクNあたりのベースポジションだったとすると、①のギブSに移動するのはかなりのストレスだからです。
いっぽう②ギブN、④ニュートラルSあたりだった場合は、比較的軽いストレスでベースポジションの移動が可能です。
なので相手のベースポジションを自分好みに変えて欲しい場合、どの位置からどこに移動して欲しいのかを考えることも重要です。
高ストレスが予想されるポジション移動の場合は、諦めるか断られるのを覚悟で持ち出すかから検討しましょう。
比較的低ストレスの場合は、思い切って打ち明けてもいける可能性が高いです。
性癖ポジショニングのまとめ
以上が性癖ポジショニングという考え方のまとめです。
注意してほしいことがいくつかあります。
性癖ポジショニングは絶対ではない
当然ですが性癖ポジショニングは絶対ではありません。
こうした分類は何を軸にするかによって結果も変わります。
また人間の多種多様な性癖は、わずか9パターンにおさまりきるものでもありません。
だからこそベースポジションとウイングスパンという考え方になるわけです。
ですが、あくまで目安としてなら充分に参考になります。
SM軸よりもギブテイク軸に着目しよう
冒頭で触れたように、SMという軸は比較的話題になりやすいです。
ですがギブテイク軸のほうが、夜の相性を見るにはより重要です。
またギブテイク軸は、昼間の様子からもある程度判別しやすいです。
気になるあの人がギブ寄りなのかテイク寄りなのか、それともニュートラルなのかからチェックしてみるといいですよ。